木工 | copse - Part 7copse 木工 | copse - Part 7
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2015.11.22木工

【仁城義勝展】御礼

IMG_0653 (1)仁城義勝展、21日の昨日、盛況のうちに終了いたしました。古臭い、敷居が高いと敬遠されがちな漆。どれだけの方がいらしていただけるのかと不安だらけでしたが、連日たくさんの方にお越しいただけて驚きました。うれしい悲鳴。ありがとうございます。お重「これから継続して扱われるんですか」と常連のお客さま。オープン以来、いつも片隅でご紹介していたのですが意外と存在に気付かない方も多かったようです。IMG_0773それでも、お椀やプレートなど一部しかご紹介できなかったので、スグレモノの入れ子のお重をはじめ、大きなお皿やお盆など見て、たくさんの作品を見ていただける貴重な機会となりました。IMG_0375バリエーション豊かな作品づくりの背景には、無駄なく木取りし、入れ子椀にしたり端材を箱ものにされるなど木の命を無駄なく使いたいという思いがあります。日常の道具として器をとらえ、木を守るだけ最小限に漆で仕上げた、潔いまでにシンプルな器。ものづくりの原点に触れた気がする9日間、5周年の記念にふさわしい日々となりました。貴重な機会をいただきました仁城さん、ありがとうございました。

*本日22日(日)はお休みをいただきます。次回の営業は26日(木)です。

11〜12月カレンダー

 

 

 

2015.11.18木工

【仁城義勝展】21日まで!

IMG_0666仁城さんの器展の今週は、21日(土)まで休まず営業。仁城さんはおかえりになりましたが、お茶目な写真とともに迎えてくださいますのでぜひいらしてください。木を削る前に、前掛けをされているときの瞬間。あたたかく飾らないお人柄が滲み出たお気に入りの一枚です。IMG_0787当初は悩みながらディスプレイしましたが、こうして仁城さんや工房の写真を一緒に展示させていただくことで、器が生き生き輝き始めた気がします。単なるモノではなく、命を宿したひとつの生き物のような感覚。丸太から木を仕入れて、大切に気取りして、木を削り、漆を塗って仕上げる。シンプルで美しい器はもとより、仁城さんのものづくりを含めてご紹介したいと思っていたので、思いが詰まったものづくりを感じていただける展示になったように思います。IMG_0762
先日は来月、入籍されるカップルが記念にお椀を買いたくて、とご来店。入籍の記念に毎日使うお椀を一緒に選ぶって素敵ですよね。二人であれこれ選ぶ姿も微笑ましく、シンプルなお揃いのお椀を選ばれました。IMG_0752万が一、割れたり欠けたりしても補修していただけるので、安心してどんどん使っていただきたいと思います。

漆の器でお出しするランチも好評。いつものランチが料亭のご飯のように上品かつ豪華に見えますね。漆の陰影のなか料理が美しく艶やかに浮かび上がらせる様子を見ていると、漆に勝る器はないと思わせるほど。あたたかな料理のときも手にやさしく、口当たり良く、手に軽やか。やはり漆は器のなかの器、器の王様なのかもしれません。ランチは会期最終日の21日(土)までご用意していますのでお楽しみに!

11〜12月

 

2015.11.15木工

仁城さんのお話し会ご報告

IMG_0682仁城義勝展は連日、たくさんの方にお越しいただき盛況をいただきありがとうございます。IMG_0693遅くなりましたが、先日の仁城さんのお話し会のご報告。仁城さんが漆の器をつくられるようになった経緯、山や木といった自然をみて美しいと思うのと同じように誰にでも好まれ、世代を超えて使い続けてもらえる木の器を作りたいと思われていることなど、お話しくださいました。IMG_0678お話しをうかがいながら、漆の器で夕食会。
スタートは7寸皿に柿の葉寿司と生姜の甘酢漬け、春菊とえのきの梅和え、次はかぶら蒸し、大皿にルッコラとえんどう豆のかき揚げを。IMG_0690
最後にサツマイモご飯と粕汁。
お椀でご飯をいただくと、ふっくらおいしくいただけると、お客さまから聞いていましたが、最後まで粒が立ったままで、お椀がおひつのような役割をするのだと実感。IMG_0696仁城さんのお知り合いの新亀酒造さんが贈ってくださった極上のお酒のおかげもあり、人生相談から政治まで話題は尽きることなく大盛り上がりなひとときとなりました。お話しの端々に、仁城さんの自然への思いや消費を続ける社会への懸念の言葉があふれます。使い手である私たちが何を選び、どのような社会を次の世代に渡したいのか。シンプルな器を前に、日々をどう生きるかということに気づかさた気がします。

21日(土)まで休まず営業しています。明日からのランチ(18日除く)でも仁城さんの器でお出しする予定です。メニューはきのこのおこわ/鶏団子汁/白和え/大学芋/大根ステーキです。

11〜12月

2015.11.12木工

【展示会】仁城義勝展、本日初日!

IMG_5691気がつけば日付が変わっていました。本日12日(木)、仁城義勝展初日です。ようやく、どうにか設営終わりましたが、すいません、今回のディスプレイはとても難しいかったです。色調が統一されているせいでしょうか。どうすればひとつひとつ魅力的に見えるのか悩みながら、まだ答えを探している感じ。
5年の間にいろんな企画展をしてきましたが、やはり漆の存在感は別格なのかもしれません。IMG_5698正直、漆は難しいです。傷つけないよう気を使うし、他の器と取り合わせが難しく、しかもほかの器に比べて買ってもらえる機会が少ない。要はcopseのような雑多な店に漆は合わないのかも、諦めたほうがいいのかな、なんて考えたことも5年の間に1度や2度はありましたでも仁城さんの漆の魅力を伝えたい、気軽に使えて、使うほどに艶やかであたたかみに満ちた、こんな漆があるんだ〜と知ってほしいと思った。一見、ちょっと物足りないくらいに素っ気ないけれど木目がだんだんと主張して個性を発揮するのもいい。漆ってこれでいいんだ!と、きっと多くの人が思うはず。

IMG_5699仁城さんのご用意くださった〝漆器の取り扱い〟の紙に書かれている言葉。

「あまり難しく考えなくていいと思います。目安としてはご自身の手と同じ程度にいたわってやることだと思います。たとえばザラザラしたタワシでは、ご自身で不快感を覚えるように、器たちも同じです。無難な方法としてはアクリル毛糸で編みこんだタワシを使い、湯洗いして(手に無理のない温度)やるといいと思います。洗剤を使わなくても油分まできれいにできると思います。洗ったと、乾いた布巾で拭いてやれば大丈夫です」。

おおらかなお人柄が行間から溢れ出す。難しく考えなくていいんです、が仁城さんの口癖。晴れの日のもの、と思われがちな漆を、日常の道具にした仁城さんの功績はとても大きいんじゃないかと思っている。でも、やっぱり難しかったなあ。仁城さんにご相談してみよう。初日から長文失礼いたしました! 本日、仁城さんとともにお待ちしていますので、いらしてくださいませ。お待ちしております!

*copseに初めてお越しの方は大泉学園駅から道のりブログをご参照ください→ 大泉学園駅より徒歩約10分。車でおこしの方は近くのUR団地パークサイド石神井の5号棟付近に8台分のコインパーキングがあります→

11〜12月

2015.11.10木工

仁城展まであと2日!

お盆仁城義勝展がいよいよ12日からに迫りました。仁城さんから届いた作品をひたすら開梱。お盆だけでもこのバリエーション(写真右)!小さな器から大きな鉢もの、お重も四角いものから丸いものまで圧巻です。しかも、作業中の雑多な店内に仁城さんがわざわざご来店くださいました。昨日まで滞在されていた京都から到着された足でいらしてくださったとのこと。しかも冷たい雨のなか。IMG_5672明日は埼玉のギャラリーに在廊され、12日と13日はcopseに、そしてまた週末は京都だそう。還暦を超えた方とは思えない疲れ知らずの行動力!荷を解くたびに店のなかが赤く深い色に染まっていくようで、これまでにないまったりとした空気が流れ始めています。明日また速報をお伝えしたいと思います!

<仁城義勝展>

11月12日(木)〜21日(土)*会期中無休

仁城さん在店日/12日、13日

11〜12月

 

 

 

 

 

2015.11.04木工

仁城さんインタビュー

IMG_9607来週12日〜から仁城義勝さんの個展がはじまります。仁城さんの漆は5年前のオープン当初より扱わせていただいていましたが個展は今回がはじめて。漆というとよそゆきの器、ハレの日のものと敬遠する方も多いようですが、仁城さんの漆は日常の道具。木のあたたかさと美しさに満ちています。会期に先立ち岡山の工房にうかがい、仁城さんのものづくりの背景をうかがってきました。長文ですが、ご一読いただけると幸いです。

IMG_9553copse(以下c)—-仁城さんの器は木を削るところから漆まですべて手がけていらっしゃるのが特徴ですね。しかも丸太から仕入れて‥‥倉庫に膨大に保管されているんですね。

IMG_9556
仁城—修行した富山の工房が丸太から仕入れて乾燥させるところからしていたので、僕には当たり前のことだと思っています。ただ丸太で購入しても5〜6年寝かさないと使えません。もちろん乾燥の過程で割れたり反ったりすることもあれば、製材してみると虫食いや腐っているところが見つかることもあったりで、正直歩留まりが悪いです。製材所からすぐ使える材料を買ったほうがよほど効率はいいでしょう。IMG_9570でも、丸太からつくることに意味があるような気がしているんです。製材するたびに木の命をいただいているという気持ちになり、命へのいとおしみが湧いてきます。自分の命は100年にもなりませんが木の命はもっと長い。丸太を前にすると、人間のエゴやおごりに気づかされたり、教えられることがたくさんあります。

c—木を無駄にしないよう、木取りにも配慮されているんですよね。

仁—丸太は薄い素材と厚い材料に製材します。厚い材料で椀や鉢物を、薄い材料はお皿を挽きます。製材するときにできる端材は四角いお重にします。お椀が売れるからといってお椀ばかり作ると端材が取れなくなる。わざと端を残すことで木を無駄なくつかうことができるし、バランス良くいろんな作品をつくることにもつながっています。もともと30年前に生地屋としてスタートして、最後まで自分で作りたいと思って仕上げ(漆)まで手がけるようになりましたが、やはり木をいかに大切にするかという思いがあります。

FKochc—材料はトチと栗の2種類を使われていますね。

仁—木はどうしても存在感が主張が強いのですが、トチは木目が控え目ななので気に入っています、木目が静かだから漆で仕上げたときも漆を喧嘩しないでお互いが主張しすぎることがない。一方、栗は力強い木目が魅力。トチだけでは物足りないときに栗を少し使う感じですね。使えるものを作りたいという思いがあるので、自分が主張するようなものづくりが苦手で、素材の持っているものを生かして誰にでも馴染む姿にしたいと常に思っています。

c—仁城さんの漆はシンプルですが木目が透けて見えて、それがひとつひとつの個性となっている気がします。

IMG_9626仁—手を加えすぎないようにして、完結する前の一歩引いた状態にして仕上げるようにしています。完結してしまうと料理を入れたときに器が勝ってしまう。逆にぼけてしまうと料理まで殺してしまう。あくまで主役は料理で器はそれを支える存在なんです。「つくることをつくらない」というか「つくるらないことをつくる」のが僕の目標なんです。繰り返しになりますが、主張をできるだけ消したい。僕が僕がという存在をつくりたくないし、そんな人生もまたつまらない。ただ凡々としているだけでいい、精神的なつながりが根っこにあればそれで十分ではないかと思っています。

c—つくられる器は定番の形が基本になって、後から同じものを買い足せるのも魅力です。

IMG_9618仁—自分で考えて形を生み出したというより、要望されたり、木の出会いから少しずつ増えてきましたが、定番のアイテムをつくるだけ。毎年新作を発表するようなこともなく極めて地味なものづくりです。器は使う人のもの。料理を盛り付けて初めて完成するものであってほしい。オブジェやアートとは違う、あくまで生活の道具を目指しています。じゃあ、ただの容器でいいかというと、それは違います。〝器〟という言葉は大器晩成とか、あの人は器が大きいとか、人と同義語として使うことがありますよね。機能だけではなくそこにに精神性が加わってはじめて器になるのではないかと。単なるものとして扱ったら精神性は失われてしまいます。これは使う人の問題ではなく、つくる者の問題。木のように個体として完結しているものを扱う場合はなお、そういう気持ちで向き合わなければならないと思っています。
thcwbc—これまでお椀やお皿など、アイテムの一部しかご紹介できてないので、今回は幅広い作品を見ていただく機会をいただけ本当に楽しみです。

仁—冬の間に荒取りや木取りをして、その後7月ごろまで木地づくり、夏は漆塗りをして秋は販売と、3ヶ月ごとにそれぞれの作業に集中します。一年のうちほとんどこもっていますが、秋はあちらこちらにおじゃまして、各地でみなさんにお会いするのが楽しみです。お店(copse)うかがうのは初めてですが、どうかよろしくお願い致します!

*仁城さんは12日と13日に在店くださいます。13日18時半〜仁城さんのお話会も予定しています(食事つき、¥2000+tax)。仁城さんからものづくりのお話しをうかがえる機会にぜひ、いらしてくださいませ。

*今週は通常営業。土曜までのランチはじゃがいもの煮っころがし/ブロッコリーの豆乳スープ/ピーマン丸焼きなど。来週のランチはお休みです。

11〜12月

 

 

 

 

 

2015.10.29木工

仁城義勝展のお知らせ

2015仁城義勝展行ったり来たりしながら、ゆっくり季節が移ろっています。11月も間近になりました。copseの誕生月となる11月、5周年を記念して、仁城義勝(にんじょう・よしかつ)さんの個展をさせていただきます。岡山県で漆の器をつくられている仁城さん。木を削る〝生地師〟と、漆を塗る〝塗師〟が分業することの多い世界で、仁城さんは丸太から仕入れ、乾燥させ、できるだけ無駄を出さないよう型取りして木を削り、漆を塗って仕上げるところまで一貫して制作されています。「木の命を引き継ぎたい」そんな思いから、漆は木を守るだけ最小限に塗るだけ。木目が透けて見えるのが特徴で、使うほどに光沢を放ちます。少しずつ買い足して使えるよう、定番の形を作り続けるていることも含め、長く使い続けて欲しいという思いを見事に作品に託されているところに惹かれます。copseの定番としてオープン時からご紹介してきましたが、個展ははじめて。これまで店頭でご紹介したことのないアイテムもたくさん見ていただける機会となります。また、13日(金)は仁城さんのお話し会を開催。ものづくりの思いをうかがいながら、漆の器を囲んでささやかな夕食会を催します。ぜひ、ご参加ください。

今週は常設展。今週のランチはさつまいもときのこの豆乳ドリア、トマトスープなど。寒くなりましたね。あたたまりにきてくださいね。

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copse5周年記念 仁城義勝展

〜ふだんのうるし、ハレの日の漆〜

11月12日(木)〜11月21日(土)*会期中無休

*仁城さん在店日/12日、13日

<仁城義勝さんのお話し会>

11月13日(金)18時半〜 参加費/¥2000(食事代含む)

*ご参加ご希望の方は店頭もしくはcopse <info@copse.biz>までお申し込み願います。

10〜 11月最新

2015.10.16木工

【作家紹介】仁城義勝さん(漆)

岡山県井原市の山腹で漆を手がける仁城さん。漆というとよそゆきの器、ハレの日のものと思いがちですが、仁城さんの漆は日常の道具。木のあたたかさと美しさに満ちています。仁城さんの漆は木を守るだけ最小限に塗り仕上げています。「だからぼくのは漆というより、木の器なんです」と仁城さん。岡山の工房には木仁城さんのものづくりの背景をうかがってきました。長文ですが、ご一読いただけると幸いです。
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(以下c)—-仁城さんの器は木を削るところから漆まですべて手がけていらっしゃるのが特徴ですね。しかも丸太から仕入れて‥‥倉庫に膨大に保管されているんですね。
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仁城—修行した富山の工房が丸太から仕入れて乾燥させるところからしていたので、僕には当たり前のことだと思っています。ただ丸太で購入しても5〜6年寝かさないと使えません。もちろん乾燥の過程で割れたり反ったりすることもあれば、製材してみると虫食いや腐っているところが見つかることもあったりで、正直歩留まりが悪いです。製材所からすぐ使える材料を買ったほうがよほど効率はいいでしょう。でも、丸太からつくることに意味があるような気がしているんです。製材するたびに木の命をいただいているという気持ちになり、命へのいとおしみが湧いてきます。自分の命は100年にもなりませんが木の命はもっと長い。丸太を前にすると、人間のエゴやおごりに気づかされたり、教えられることがたくさんあります。
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c—木を無駄にしないよう、木取りにも配慮されているんですよね。

仁—丸太は薄い素材と厚い材料に製材します。厚い材料で椀や鉢物を、薄い材料はお皿を挽きます。製材するときにできる端材は四角いお重にします。お椀が売れるからとお椀ばかり作ってしまうと端材が取れなくなる。わざと端を残すことで木を無駄なくつかうことができるし、バランス良くいろんな作品をつくることにもつながっています。もともと30年前に生地屋としてスタートして、最後まで自分で作りたいと思って仕上げ(漆)まで手がけるようになりましたが、つねに木をいかに無駄なく使うか、どうすれば大切に使い切れるかを考えています。
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c—材料はトチと栗の2種類を使われていますね。

仁—木はどうしても存在感が主張が強いのですが、トチは木目が控え目ななので気に入っています、木目が静かだから漆で仕上げたときも漆と喧嘩せず、お互いが主張しすぎることがない。一方、栗は力強い木目が魅力。トチだけでは物足りないときに栗を少し使う感じですね。使えるものを作りたいという思いがあるので、自分が主張するようなものづくりが苦手で、素材の持っているものを生かして誰にでも馴染む姿にしたいと常に思っています。
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c—仁城さんの漆はシンプルですが木目が透けて見えて、それがひとつひとつの個性となっている気がします。

仁—手を加えすぎないようにして、完結する前の一歩引いた状態にして仕上げるようにしています。完結してしまうと料理を入れたときに器が勝ってしまう。逆にぼけてしまうと料理まで殺してしまう。あくまで主役は料理で器はそれを支える存在なんです。「つくることをつくらない」というか「つくるらないことをつくる」のが僕の目標なんです。繰り返しになりますが、主張をできるだけ消したい。僕が僕がという存在をつくりたくないし、そんな人生もまたつまらない。ただ凡々としているだけでいい、精神的なつながりが根っこにあればそれで十分ではないかと思っています。
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c—つくられる器は定番の形が基本になって、後から同じものを買い足せるのも魅力です。

仁—自分で考えて形を生み出したというより、要望されたり、木の出会いから少しずつ増えてきましたが、定番のアイテムをつくるだけ。毎年新作を発表するようなこともなく極めて地味なものづくりです。器は使う人のもの。料理を盛り付けて初めて完成するものであってほしい。オブジェやアートとは違う、あくまで生活の道具を目指しています。じゃあ、ただの容器でいいかというと、それは違います。〝器〟という言葉は大器晩成とか、あの人は器が大きいとか、人と同義語として使うことがありますよね。機能だけではなくそこにに精神性が加わってはじめて器になるのではないかと。単なるものとして扱ったら精神性は失われてしまいます。これは使う人の問題ではなく、つくる者の問題。木のように個体として完結しているものを扱う場合はなお、そういう気持ちで向き合わなければならないと思っています。
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c—一年の間にサイクルを決めた制作スタイルも特徴ですね。

仁—冬の間に荒取りや木取りをして、その後6月ごろまで木地づくり、夏は漆塗りをして秋は販売と、3ヶ月ごとにそれぞれの作業に集中します。乾燥した時期に成形して、湿気の多い夏場に漆の仕事、そして冬は出稼ぎ(笑)で各地の展示会に立たせてもらう、と季節に合わせて作業を分割していますが、作業に集中できるし、出張のときもできるだけ何箇所もいけるように段取りしています。それぞれのお店に納品するのも年に一度。注文をうければいつでも発送できる問屋のようなことはできませんが、効率よくつくることで価格も抑えて喜ばれる器になるように思います。

c—仁城さんから作品が届くのは例年、秋の終わり。楽しみに到着をお待ちしています。
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2015.09.19陶器

「お茶の時間」展 最終日!

IMG_0238文句なしの秋晴れ!絶好の行楽日和になりました。本日「お茶の時間」展最終日となりました。IMG_0245こんな日は、渋滞や混雑をさけて、石神井公園をお散歩するのがおすすめ。今回、注目の増渕 篤宥さんのコンポート皿(¥25000)も鎮座しておりますのでぜひご覧いただければと思います。厚川文子さんの手びねりの器や、土ものらしいあたたかみを備えた八木橋 昇さんの器もまだまだ棚にどっさり。コロッケのランチ(¥820 14:00LO)もあります。汗ばむ今日はテラスでビールもおすすめです。お散歩ついでにお寄りくださいね。

*明日20日(日)はお休みです。次の営業は24日(木)になります。

9月最新

 

2015.09.18木工

【お茶の時間】小塚晋哉さんの木工

IMG_0217いよいよ「お茶の時間」展も明日までとなりました。最後になりましたが木工作家の小塚晋哉さんのご紹介。IMG_0229京都で制作されている小塚さんは、京指物の学校で木工を学ばれ独立されました。IMG_0157
今回、トレイお皿、カッティングボード、カトラリーなどご紹介させていただいていますが、木の持ち味をいかしながらディテールにこだわった仕上がりは、やはり指物を学ばれた方だからかと思う繊細さです。カトラリーやカッティングボードも細部まで美しい。個人的に気に入っているのが白漆のボウル(写真上 直径10×H6㎝ ¥4800)。黒い漆を塗ったあとに黄味を帯びたマットな白で仕上げていますが、下地の黒が見え隠れするテクスチュアが銅版画を思わせます。陶器と思って手に取るお客さまも多く、あまりの軽やかさに驚く方も。IMG_0223

このボウルのほかオーバル皿(長さ22㎝ ¥6500)など深さのある器を作られているのも魅力です。端材でつくるカッティングボードや小さな器もいろいろ。IMG_0227今回、好評をいただいてるのがスクエアのトレイ(45㎝各 ¥4500)で、
プレートや飾り台などいろいろ使っていただけます。

明日からシルバーウィークですね。ランチのご用意ありますので、最終日ぜひいらしていただけると幸いです。

9月最新

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